エゴイズム

エゴイズムとは利己主義と訳され、原意から言えば主我主義のことです。ここに意味されている自我は個別的な感性を中心として捕えられた自我であり、これが利己主義の特徴です。あらゆる判断や行動に際して、それが自我の利益となるかどうかを規準とする態度のことになり、極瑞になれば、世界のあらゆる事象をこの見地から評定しようとすることになります。それゆえに利己とは感性的自我の満足によって得られる功利にほかならないとすれば、これは個人的決楽説、社会的功利説を功利主義ということと言うことができます。極めて反社会的な考え方で、快楽を得るための賢い方法が道徳、拙劣で無知な方法が不道徳だという結果を導き出す。学説としては、エピクロス、シュチルナーがありますが、利己主義に根源を持っている現代人の諸悪は、その結晶形態としての私的所有が変革されない限り、続くことになります。

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