神秘主義

神秘主義にはさまざまな形態がありますが、共通の基本的特徴は、精神の眼による内的置観によって自己の内面をさぐり、その根源としての絶対者、神を観照しようという態度にあります。ここから神は内在的でかつ超越的であるという逆説が生まれ、この逆説を元として、神秘思想は、あらゆる現象の把握に逆説的な方法を用います。つまり論理的な推理や常識的な健全性が、ここでは無用であるばがりか軽蔑されます。平凡でなく特殊が、また明白でなくあんがいが神秘思想の性格をなしています。
13世紀のマイスター・エックハルトに始まり、クウレル、ゾイゼ、クザヌス、アグリッバ、ぺ−メなどが著名です。およそ科学的なものとは対照的であるために、現代精神の中ではあまり育ちません。しかし、機械文明に反発するものは多少ともこの傾向に陥ります。

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