合理主義と非合理主義

合理主義は思考及び実践のよりどころを理性に求め、非合理には、あくまで抵抗しようとします。啓豪思想のより純化された人生観で、感情、直観、意志、本能、習憤などを厳しく批判し、多くは反宗教的です。認識論では理性主義、唯理論、主知主義などと同義的に用いられ、経験よりは理性による認識をより基本的であるとする主張となります。デカルト、スピノーザ、ライプニッツ、ボルフなどが代表的であり、純粋数学の認識を模範と考えることで共通です。現代では、この原意から多少ずれて、合理主義者といえば、ウェットな態度を嫌い、割切りすぎた態度をとる人のことを言います。
非合理主義とは理性の論理によって整除されないものとして、直観、感情、権威、神などを認め、それを、知識にも実践にも根底におき、盲目的な意志を世界の本体とするショーペンハウエル、超人的な権力意志を倫理の原動力とみるニーチェ、危機の裂け目を衝動的な投企によって首己決定するのを人間的実在としたキルケゴールなど、すべて非合理主義のカテゴリーに入れることができます。概して、合理主義の割切った熊度に不満を感じる人達が、感情を尊重する意味で非合理主義を唱える程度までは寛容されますが、神秘的な不合理性を政治に持込む非合理主義、例えればナチの人種主義や戦前日本の皇道主義などは、危険なファシズムの湿床となります。

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