アイデアリズム・リアリズム

アイデアリズムを世界観に関係させて理解した時には、理想主義と訳され、認識論的には観念論、倫理学ではまた理想主義と訳します。観念論はほとんど唯心論と同義であり、我々の認識は精神の先験的な形式によって構成されるという主張です。世界観では精神が物質より本源的と考える傾向のことであり、倫理学では、理念や理想が、人間の倫理を規走し、経済や物質的配慮には第二次的意義しか認めません。アイデアリズムの対照的主張がリアリズムになります。
認識論のなかでリアリズムとは実存輪のことで、意識から独立した容体を認め、認識はその模写であるという主張です。世界観または形而上学でリアリズムは実念講と訳され、物の本質は、普遍的な概念の中には捉えられず、概念に先立って客体の中にあろと主張します。倫理では、リアリズムといえば、客観主義と同義で、行為の評価規準を、人間の随意によらず、また空想的な理念によらず、社会的現実のなかに求めます。芸術上のリアリズムでは、客体を基準とした客観的描写を尊重し、個人の主観的な特殊性をできるかぎり退けようとする主張です。これも認識や世界観のリアリズムに異なる傾向であることは明らかで、社会主義リアリズムは、歴史を前進させる大衆のうちに芸術的価値の実現をみようとします。文芸思潮の一傾向で、現代社会の常識の中では特に人に関してリアリストやリアスチックとかいう言葉が用いられるときは、現実にむしろ拘泥して、よりよい未来についての希望には冷たい態度をとる傾向を言います。

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