啓蒙主義

啓蒙主義とは本来で言えば、啓蒙で主義という主義はありません。これは、近代精神の特徴につけられた名称で、合理主義を基調とする人間の解放を目標としています。つまり、伝統の拘束を脱し、理性を自律させ、無知と迷信を追放する広範な精神動向と考えればよく、ヨーロッパでばルネサンス後期から18世紀にかけて、この動向が全面を覆い、近代自然科学の発展はこの結果でもあり原因でもありました。また近代市民社会の発展とその中核をなす資本主義の台頭も啓蒙的合理主義の前章なしには不可能でした。啓蒙精神の哲学に結晶したものとしては、イギリスのF・ベーコンが最初であり、その後オッブス、ロックなど、啓蒙精神の伝統は現代イギリスにも長く尾を引いていました。やがて、ロックの影響がボルテール、モンテスキューを通じてフランスに開花し、ディドロ、コンディヤック、などの百ドイツの啓豪運動はかなり後進的でしたが、フリードリッヒ2世は啓蒙君主と呼ばれ、その治下には、レッシング、カントなど、巨大な近代精神を興起させましたが、イギリスやフランスのように、政治的な変革を引き起こさなかったところにドイツ的悲惨があると言われました。近年では進歩の立場に立ちながらも、後進者を教化しようという教師意識の過剰なものを啓蒙主義と呼ぶことがあります。

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