懐疑主義

懐疑主義とは独断論に対立する世界観の特徴で、ギリシャのピロンに始まるところからピロニズムとも言われます。懐疑論の骨子は人間の判断には万古不変の基準がないために断定をいずれも正しいということができないという考えです。ビロンはそこで、あらゆる断定の中止を求め、精神がこだわっている状態からの解放を賢者の道であるとしました。判断を差控えて、断言せず、静叙無為に入れというので、絶対的懐凝論と呼ばれます。後者はデカルトの方法的懐疑に対してそう言われるのですが、絶対的懐疑は自らの主張をも否定することによって、自己矛盾に陥ります。しかし、いつの時代でも、情勢が、末流的、非生産的停滞に陥ると、絶望的な精神は、えてして懐疑思想の傾向を帯びることになります。

philosophy

          copyrght(c).philosophy.all rights reserved

philosophy