歴史主義

歴史主義とは世界の生起を、単なる並列や結起ではなく歴史として、把握しようとする世界観で、この意味からすれば、唯物史観も一種の歴史主義と言えないことはないのですが、特に歴史主義と言われるものは、むしろ、反唯物論的であり、歴史を精神の存在形式歩考えることによって、まったく観念論的な色彩を帯びています。これは、二つの傾向に分けられ、一つは自然主義に対立して世界を精神の歴史的過程と考えるもので、他には同じく、世界を精神の歴史的過程としながら、その歴史に重点をおくものです。後者ではすべてが流動する所から不動絶対の存在を否定しています。そのために相対主義に転化し、歴史主義といえばしばしば相対主義と同義に解されることがあります。一元請的な世界観の支配が緩んだり、あるいはそれが飽きられたりすると、その歴史的相対主義が台頭します。近年では自由諸国の内部にこの傾向が著しくあります。

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