唯心論と唯物論

唯心論とは世界観の上での一つの立場で、世界の本源を精神的な存在の中に求める傾向で、人間の精神とは独立に自存する物質の存在を否定し、物質は、本源館な精神者からの産物、もしくは精神者の一表現形式であると考えられます。例えば神が世界を創造したと教えるキリス下教、世界は絶対精神の自己展開だと主張したへ−ゲルなどその典型的なものです。こうして本源的存在者を理性とするか、意志とするか、それとも精神あるいは神とするかによって種々の色合いを生じるが、精神とする代表にはヘーゲル、意志とする代表にはショーペンハウエル、神とする代表にはキリスト教的世界観、特にアブグスチヌス、ルターなどがあります。この他、プラトン、ライブニッツ、フィヒテ、ベルグソンなども唯心論者として著名です。
唯物論は唯心論と対照的な世界観、つまり、世界の本源を、精神ではなく物質にあるとみて、精神的な存在、唯心輪のいう世界の本源は、人間の構想物にすぎないと強調し、人間の理性、意志、感情なども、高等な物質、顕脳の機能にすぎず、人間の意識の外に独立自存する物質こそ、本源的存在であると主張します。唯物論は、人間の常識の結晶であるために、ギリシャ時代の自然哲学は、ほとんど唯物論的でした。現代の自然科学はこの伝統の上に立っています。デモクリトスの原子論とその現代版としての原子物理学との関係を見れば、このことは明白でした。中世はキリスト教の唯心論が全盛で、唯物論は不振でしたが、ルネソサンス以後、合理的自然主義的精神の復活につれて再び優勢となりました。
近代自然科学の勝利ほ、一面において、唯物論の勝利であり、特に医学、工学、物理学などにおける画期的な技術成果は、大量に唯物論的世界観へと移行させました。

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